
iDeCo運用機関のサイト導入部
さて、還暦を迎えた僕がiDeCo制度からの出口をどうしたのかというのが今日の記事の内容です。
出口を決めるには、僕の口座の運営管理機関であるSBIベネフィットシステムズへ電話をしなければなりません。
iDeCo口座の開設はインターネットで出来るけれども、老齢年金を受け取るためには最後は電話なんですね。
ところで、SBIベネフィットシステムズへ電話をしなければどうなるのか。
今の制度では60才まで拠出してそこで拠出は勝手に止まり、以降65才までは運用指示して口座内で運用をつづけられます。
因みに、制度がすでに改正されて、2022年からは65才まではiDeCo口座への拠出が、70才までは口座の運用が可能になるようですね。
だから僕の場合は、しばし拠出を休んで、2022年から二、三年間拠出を再開することも出来たようです。
実際のところどのタイミングかはわかりませんが、ずっと口座を放っていればSBIベネフィットシステムズからどうするつもりなのか連絡が来るのでしょう。
iDeCo口座の出口をどうするかは、その人の60代での働き方、収入の得方、生活の仕方により最適解は異なります。
iDeCo制度ははじめるのは簡単だけれども、出口をどうするのか決めるのが難しい。
どのように老後の生活を支える資金計画をつくるか、どのようにすれば課税額をおさえられるのか。
ここはじっくりと考える必要があります。
65才までは今の職場で働く前提の僕にとっては、次の二つが出口として考えられました。
1.
iDeCoを60才で一時老齢年金として支給受ける。その際には、一時老齢年金 (550万円) は足かけ17年間拠出をつづけた実績より計算される退職金控除額 (40万円 x 17年 = 680万円) を下回るので、課税されない。そして会社退職金を65才で受ける予定を立ててその間を5年開けることで、会社退職金の課税計算時に支給済みのiDeCoの一時老齢年金が影響しないようにする。
2.
公的年金の開始については、老齢基礎年金は予定通り65才から受け取るが、老齢厚生年金 (よくいわれる厚生年金の2階部分) は僕の場合は64才から受け取れるのを70才に遅らせて、その間にiDeCoを代わりの年金として受け取る。なお、iDeCoの年金支給額を65才以上の公的年金控除額 (年110万円) までとすればiDeCo分への課税はない。そのためにiDeCo口座の運用を64才までおこなう。
これは僕の特殊解なのだけれども、60代前半に不動産管理の新会社を設立してそこからの役員報酬を第2の年金とする計画があるので、上記1を最適解として選んだわけです。
それでは、60才の誕生月にSBIベネフィットシステムズへ電話してからどういう手続きを経たのか、実際に経験した手続きを次に報告します。
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まず女性オペレータから、身元確認の後に、iDeCo口座の金を一時金として受け取るか一定年数の年金として受け取るか聞かれて、一時金として受け取る旨を回答しました。
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つぎに女性オペレータから過去14年間にどこかからか退職金を受け取ったことがあるか聞かれて、ないと答えました。 (そのような事実があれば、僕の口座の評価額が先に説明した退職金控除額以下でも、過去の退職金との関係で改めて退職金控除額の計算をしなければいけないため)
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女性オペレータは最後に、一時老齢年金を選択してもそれを受け取るまでには手続きで2ヶ月はかかること。その間に市場が急落すると給付裁定結果の金額が想定より下がることになり、多くの受益者は年金を受け取るタイミングについて躊躇すること。そして、僕のiDeCo口座で運用している金融商品を金額の変動のない定期預金へスイッチングすることを強く勧めてきました。
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僕は彼女のすすめに従い、口座内の資金を1年定期預金にスイッチングしました。そしてSBIベネフィットシステムズから送られてきた書類に必要な記載と署名をおこない送り返しました。
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それから1ヶ月後、SBIベネフィットシステムズから「確定拠出年金 給付裁定結果通知表」が届き、そこには老齢一時金の裁定結果「支給」と書かれていました。
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そのからさらに2週間が経ち、振込予定日と送付金額が示された「確定拠出年金 給付金支払通知書」が届きました。そして数日経ち、SBIベネフィットシステムズはその金額を僕が指定した銀行口座に振り込みました。
以上が、SBIベネフィットシステムズへ電話してから僕のiDeCo口座の金を老齢一時金として受け取るまでの2ヶ月間の経過でした。
僕がiDeCo口座を開設した2004年のころは、日経新聞や日経マネーのような雑誌でiDeCo制度の節税効果を理解していただけで、それが公的年金制度の一部であるということを正しく理解していませんでした。
つまり制度の出口で、拠出金の運用で増えた分だけでなく、僕が所得税・住民税を払った後で受け取った給与でおこなった拠出金に対しても、老齢一時金で受け取るときは退職金控除でカバーされない部分は所得税・住民税として課税されることを知りなせんでした。
確定拠出年金 (iDeCo) はまるで通りゃんせの遊びのよう
また、iDeCo制度では特別法人税の対象だけれどもそれを適用しない
(つまりモラトリアム) の状態にあるということも知りませんでした。
確定拠出年金 (iDeCo) はまるで注文の多い料理店
結局僕の17年にわたるiDeCo口座の経験では、特別法人税は適用されませんでした。
その出口で老齢一時金を選択したけれども、会社の退職金受領をその後にずらすことにしたので、退職金控除により所得税・地方税を払うことはありませんでした。
予定通りに5年以上ずらすことができなければ、会社の退職金だけではなくiDeCoの老齢一時金も退職金相当として後から課税対象となってしまいますが。
この「iDeCo制度の活用実践記」の3回のシリーズは、無事にゴールに辿り着いた人間の実際の記録とともに、読者の皆さんへiDeCo制度は出口戦略が大事であることを繰り返して終わります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。